◆ムシ歯
ムシ歯とは、ムシ歯菌(ミュータンス菌)が作る「酸」により歯が溶かされた状態のことをいいます。
この菌は誰の口にも存在するもので、決して珍しいものではありません。
ムシ歯になる原因は、まず口の中にムシ歯菌がいてその細菌の栄養素となる糖分があり、細菌が活動する時間がある事。その条件が揃ってはじめてムシ歯になるのです。
ムシ歯菌は直接歯を溶かしていくのではありません。ムシ歯菌が作る「酸」が歯を溶かすのです。つまりムシ歯菌があっても「酸」ができなければムシ歯にはならないのです。
食事をすると、歯と歯の間や歯の溝などに食べ物が残ります。この状態のまま放置しておくと、ムシ歯菌はこれを栄養源として、まず歯の表面に「歯垢(プラーク)」を作ります。そして、ムシ歯菌はプラークの中に潜み、次の段階として糖質を元に「酸」を作り、歯を徐々に溶かしていきます。
◆根管治療
ムシ歯が深くなってしまって歯の神経を取ったり、歯の根をきれいにしてから薬をつめて金属等をかぶせたりつめたりする前の下準備の治療です。
神経のない歯でも、根管治療が上手くされていないと根の先に炎症をおこして痛みが出たり腫れたりもしてきます。ムシ歯の治療数年後に歯が痛み出して、再治療といった事はよく起こる事なのです。
神経を抜いた歯の内部は空洞になったままです。根管治療はこの空洞の根の先(根尖)に、半永久的に根管充填材(こんかんじゅうてんざい)というものを充填します。
この治療で根尖まで根管充填材が達していないと、治療後の数ヶ月〜数年たってから治療した歯が痛んできたりします。根尖が密封されていないために、根尖に病巣ができてそこに膿が溜まったりすると内圧が上昇し、治療した歯が痛くなります。
◆歯周病治療
歯周病(歯槽膿漏)は、歯の根を支える骨が溶けてしまう病気です。
直接的な原因は、プラーク(約70%が細菌、つまりバクテリアで、残りの30%が細菌の作る糖・酸・毒素・酵素など)です。歯周病はその中の歯周病菌がひきおこす病気なのです。
歯石といわれるものはプラークが石灰化して硬くなったもので、表面がざらざらしているのでその上からプラークがついてどんどん増加していきます。歯ブラシではとれませんので、歯科医院で除去してもらう必要があります。
歯周病は全身に影響をおよぼし、治療も簡単ではありません。その為にしっかりとした治療が必要となります。